前回の記事の続き
セミナー(おこづかいから学ぶ金銭教育~将来お金に振り回されない子供を育てるには~)は具体的な講演の内容に入っていきます。

講演冒頭から「子供の将来についてどうなってほしいのかを考えてみる」というとてもフムフムないいお話をきけた前回
繰り返しになりますが、今回の公演の内容は以下の6項目です。

  • なぜ今、金銭教育か?(Why?)
  • なにを教えればいいの?(What?)
  • どうやって教えるの?(How?)
  • 羽田野家の場合
  • おこづかいゲーム(ニーズ&ウォンツ)
  • まとめ

 なぜ今、金銭教育なのか?

おこづから学ぶ金銭教育

写真は講演者の羽田野さん
(写真は宮崎おこづかいクラブのfacebookページより写真掲載許可をいただきました)

昔は物もお金もなく「子供にはお金の苦労をさせたくない」という親の思いもあり、子供のうちから我慢させていた時代でした。今は物もお金もあふれ子供たちは「6つのポケット(お父さん、お母さん、各おじいちゃん、おばあちゃん)」を持つと言われ、お金の実態を知らないまま買い与えられてしまう時代だと比較していました。
そして、現代にみられる多重債務や自己破産、ニートなどの自立できない若者増加や、お金のトラブルの低年齢化も進む中で、子供のうちからお金との付き合い方を学ばせることが大切になってきているようです。

必要なものとほしいものを区別させることが大切(ニーズ&ウォンツ)

次に「なにを教えればいいの?」では

  • お金の大切さ
  • お金の使い方
  • お金では買えないもの
  • 見えないお金との付き合い方

など、金銭感覚を育むための項目があげられていました。

次の「どうやって教えるの?」では、「ニーズ」と「ウォンツ」というキーワードが出てきました。何か聞いたことあるような感じですが、これを子供たちの金銭教育の中に盛り込むんだそうです。

ニーズ&ウォンツ

人によって選択の個人差があることを前提としてますが色々なものを「ニーズ」と「ウォンツ」に分類していきます。

  • ニーズ
    ・・・必要なもの(生活必需品:にんじん、牛乳、文房具やランドセル、等)
  • ウォンツ
    ・・・ほしいもの(必ずしも必要でない嗜好品やぜいたく品:ケーキ、ビール、ゲーム機、等)

こうやって子供たちに「これはニーズだよね」「これはウォンツだね~」って楽しく教えていくみたいです。
参加者の中にお子さん連れの方もいらっしゃってたんですが、羽田野さんが「じゃ~これは~?」と事例を見せると子供たちが「ニーーーーズ!」「ウォンツッッ!」と元気よく答えていました。

「ニーズ」と「ウォンツ」という言葉の響きも子供にとっては言いやすいんでしょうかね。楽しみながら意味を教えていく感じですね。

この分類選択については自分に置きかえるとその選択をせずにお金を使ってしまっているのに気づきます。
ぼくもこのことは大人になってから考えるようになりました(ぼくの場合は今必要か、必要でないか、です)。

物欲って誰しもありますよね、買って満足するとかで終わることもあります。本なんかも読みたくて買ったはずなのに読まずにそのまま、積読(つんどく) って便利な言葉もあります、便利な言葉なのかどうかはさておき、、、「ニーズ」と「ウォンツ」を考えることで判断するものの見方や考え方が身に付くようにしていくのだそうです。

スマホやPCやゲーム機はクレジットカードを持たせているのと同じ

スマホやPCやゲーム機はクレジットカードと同じ

ぼくたちも再認識する必要があるのが「見えないお金」との付き合い方です。
今やスマートフォンやPCは誰もが持つ時代。親が子供にスマートフォンの動画を見せたり、ゲームをさせたりする光景もよく見かけますが、知らないうちにアイテム課金なんかされてた話はまさに親の管理が行き届いていない結果からうまれる事例です。

よくよく考えるとクレジットカードを自由に持たせて遊ばせているのと同じ、そしてそれを管理してないこと自体が問題になるので、子供だけじゃなく親自身も「見えないお金」との付き合い方に向き合う必要があると思いました。

子供との対話が大切

子供との対話が大切

子供はほどんどお金について見えていないと思います。

「お年玉、全部貯金しておくね」ってことも時が経つと「あのお金って何なんだろう?」って、、、
親の立場になれば将来の為の貯金ですが、子供たちは納得いってないはず、羽田野さんは言われてました、お年玉などは全部貯金する前にまず子供に「いくら貯金して、いくら使うか」について話し合うことが大切だと、一緒に会話し考えさせることで金銭感覚を持たせることが大切なようです。

先ほど出てきたクレジットカードについてもカード機能や使い方などは高校生のうちに教えておく方がいいようです。
大学の学生証にクレジット機能がある学生証もあるみたいで、そういう大学もあるんですね知りませんでした。

なんでもいいから買いなさいはNG

子供に考えさせる

「羽田野家の場合」で羽田野家のおこづかいの金額の決め方の例も教えてくださいました。
興味深かったのが、お小遣いを渡す時に「これでなんでも買いなさい」と言うよりも「無くなったら自分で買うんですよ」という言い方にするだけでも違うようです。

ちょっとした言い方の違いですが、そうすることで意外にも子供は物を大切にする感覚が備わるそうです。「いつでも買える」と思うのと、「使ったり無くしたりしたら、自分で買う」と思うのと、この違いが大きく、考えさせること、物を大切にし、そして、お金は使うと無くなることを意識させる、責任を与えることの大切さですね。その他にも借用書を書かせるとかもありました、もう大人と同じです。

おじいちゃんやおばあちゃんからのプレゼントなどは素直に喜ぶ

おじいちゃん、おばあちゃんからのプレゼント

6つのポケット(お父さん、お母さん、各おじいちゃん、おばあちゃん)を持ち、お金の実態を知らないまま買い与えられてしまう時代と言いましたが、この買い与えられてしまう瞬間はたくさんあると思います。おじいちゃんやおばあちゃんにとって孫はやはり可愛すぎる存在です。

羽田野さんはおっしゃってました、プレゼントに対しては親子で素直に喜びましょうと、そして「ちゃんとありがとうしたかな?」「今度プレゼントのお返しをしようね!」と感謝の気持ちを育むことも大切ということです。そして、実際におじいちゃんやおばあちゃんには「次プレゼントするならおもちゃじゃなくて、靴下や、パジャマとか(ニーズのもの)をお願いね!」と伝えるのも工夫のひとつみたいです、なるほど~。

おこづかいゲームブック

最後におこづかいゲームブックの簡易版をしました。

おこづから学ぶ金銭教育

じゃんけんして買ったら「ニーズカード」、負けたら「ウォンツカード」、あいこは「ハッピーカード」を選びます。
ニーズは「買います」、ウォンツは「買うかどうかを判断します」、ハッピーカードは「色んなイベント、電車で席をゆずったとか、財布を落としたとか(これハッピー?)それに伴ってエコポイントやハッピーポイントがつきます」。

貯金したり、本を売ったり、ジュースを買ったり、ローンをしたり、最終的には預金残高に利子をつけ、ローン残高にも利息をつけて
マネーポイント、ウォンツポイント、エコポイントを得点に換算します。

家計簿つけたりする感じがリアルで、ポイント換算も楽しいですし、二人一組のグループ(じゃんけんする人、計算する人)でより楽しみました。これは大人も楽しかった。

金銭教育の現場は家庭にあり

金銭教育の現場は家庭にあり

今回はセミナーを通して金銭教育の必要性をものすごく感じました。最後に羽田野さんがおっしゃっていた「金銭教育の現場は家庭にあり」の言葉が的を得ていて「本当にそうだな」って思いました。

学校で学ぶ勉強も大切ですが、大人になるステップに金銭感覚は大切です。

もっと知って今後の役に立てたいと思いました。